せめて建前だけでも
中国の胡錦濤国家主席が来日しています。順調に日程をこなしているようです。
中国の人権弾圧は本当にろくでもない状態で、チベット暴動への対処も荒っぽければ、その対外発表も外国人ジャーナリストをシャットアウトしてプロパガンダ放送を流しまくるという独裁国家にふさわしいものでした。それ以前の餃子問題にしても、相変わらずよくわからない愛国デモのやり方にしても、とにかくスマートじゃない。このスマートでない対処によって中国ブランドのイメージは大きく傷つけられ、いずれ経済に影を落とすことになるような気がします。オリンピックはガチガチの警備と人海戦術で(外国人用の観客席は少ないという情報がありますね)「成功」に終わるでしょうが、その後が見ものではあります。
翻ってわが日本政府の対処ですが、まあ相変わらずの「道徳よりカネ」という姿勢はすがすがしいほど一貫しております。今やアメリカを抜き去って最大の貿易相手国となった中国様の財布が日本経済の肝をしっかりと握ってしまっている以上、福田内閣の擦り寄り姿勢は当然といえば当然なのかもしれません。
思うに、この手法は小泉内閣にそっくりです。アメリカがイラク戦争を始めるに当たって、多くの国が倫理的な理由からアメリカを批判したときに、われらが小泉首相は無条件でアメリカを支持することをブッシュに約束し、大いに面目を施しました。今回、中国がチベット問題で世界規模の批判を浴びている最中に、われらが福田首相はオリンピック開会式への出席を敢然と表明しました。その後も「懸念を表明する」程度で、国内問題だとはっきり認めるなど、ほぼ無条件で中国の姿勢を受け入れています。敵が増えて窮地に陥ったときに味方して恩を売る、「困ったときの友が真の友」方式とでも言いましょうか。
間違っているとは言いません。小泉内閣の姿勢は日本外交の基軸たる日米関係を強化するのに役に立ったと思います。福田内閣の姿勢も日中共同声明という大きな収穫を得るためには仕方がなかったのかもしれません。
ただ、人権に鈍感な国、正義を軽視する政府は、果たして信用に足るでしょうか。国民は信用するでしょうか。他国の国民は信用するでしょうか。例えば環境問題や拉致問題は、カネやパワーではなく(少なくとも当面は)モラルの問題である部分が大きいと思うのですが、中国にモラルを説くことができなかった国の言うことに誰が耳を傾けるでしょうか。政府がモラルを説いて国民が協力するでしょうか。
せめて建前だけでも、せめて見せかけだけでも、正義を語ることは必要だと私は思います。今回のフランス政府のように、たとえその裏で土下座してもいいから、人権を重視する姿勢は必要だと思います。
政府ではなく、「日本人」がその姿勢を国際社会に示すことができるとしたら、それは将来に向かって有効なアリバイになるのかもしれません。チベット支援デモに参加する人の中にはいろいろな思惑がありそうですが、意外とその役割は重要なのかもしれない。
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ガメが重視するの?
Posted by: BlogPetのこがめ | May 12, 2008 at 09:06 AM